ピサの斜塔の謎に迫る!なぜ斜め?角度は?倒れる心配はある?登れる?ガリレオとの関係は?
イタリアの世界遺産として名高いピサの斜塔。独特な傾きで世界中の観光客を魅了し続けるこの驚異的な建造物は、多くの謎に包まれています。なぜ斜めになったのか、なぜ倒れないのか、そして実際に登ることができるのか・・・?
この記事では、ピサの斜塔にまつわるこれらの疑問に答えながら、その魅力を徹底的に解説していきます。
建築に興味がある方はもちろん、イタリアの歴史や文化に惹かれる方にとっても、ピサの斜塔は見逃せない観光スポットです。独特な外観だけでなく、その建設の歴史や科学との関わりなど、知れば知るほど興味深いピサの斜塔について、その秘密と魅力に迫ります。
ピサの斜塔の不思議
ピサの斜塔とは
正式名称と英語表記
ピサの斜塔は、ピサ大聖堂の鐘楼として建てられました。ピサ大聖堂、洗礼堂とともに「ピサのドゥオーモ広場」として世界遺産に登録されていますが、それぞれの建造物は独自の正式名称を持っていて、「ピサの斜塔」は正式名称も「ピサの斜塔」といいます。
ピサの斜塔は、英語ではLeaning Tower of Pisaと呼ばれています。leaningは「傾いている」という意味を表します。
所在地
ピサの斜塔があるイタリアのトスカーナ州は、イタリア半島のちょうど真ん中あたり、ブーツの形で例えるとふくらはぎの内側あたりに位置する州です。州都はフィレンツェで、他にはシエナやルッカといった都市があります。
ピサの斜塔の周辺には、ピサ大聖堂、洗礼堂などの歴史的建造物が立ち並んでいて、ドゥオーモ広場を中心に中世の美しい街並みが広がっています。ピサを訪れる際は、ピサ大学やボッボ広場なども訪れるなど、様々な楽しみ方ができます。
なぜ斜めになったのか?
建設の歴史と経緯
ピサの斜塔の建設は、1173年に始まりました。当時のピサは、海洋都市国家として繁栄を極めており、その富と力を示すシンボルとして、この鐘楼の建設が計画されたのです。
しかし、その建設過程は決して順調ではありませんでした。建設が始まってわずか5年後、塔は南側へと傾き始めたのです。
この傾きに気づいた建設者たちは、一時的に工事を中断しました。しかし、約100年後に工事が再開された際、彼らは驚くべき決断をします。傾きを修正するのではなく、そのまま建設を続行したのです。
結果として、ピサの斜塔の建設には約200年もの歳月がかかりました。この長い建設期間中、塔は少しずつ傾き続けたのです。
傾斜の原因
では、なぜピサの斜塔は傾いてしまったのでしょうか。その主な原因は、建設地の地盤の問題にあります。
ピサの斜塔が建つ場所は、かつて海に近い湿地帯でした。そのため、地盤が非常に軟弱だったのです。塔の基礎は、わずか3メートルほどの深さしかありませんでした。これは、当時の技術では、深礎を掘ることは難しかったためですが、塔の重量を支えるには明らかに不十分でした。
さらに、地下水位の変動も傾斜の原因の一つと考えられています。塔の南側の地下水位が北側よりも高かったため、南側の地盤がより軟弱になり、結果として南側に傾いていったのです。
なぜ倒れないのか
現在の傾斜角度
ピサの斜塔の傾きは、長年にわたって少しずつ進行してきました。20世紀末には、その傾斜角度は約5.5度にまで達し、倒壊の危険性が指摘されるようになりました。
しかし、1990年代から2000年代初頭にかけて行われた大規模な補強工事により、傾斜の進行は止まり、わずかに改善されました。現在の傾斜角度は、約3.97度とされていますが、約3.99度とする説もあります。
構造的な特徴と安定性
なぜ、これほどまでに傾いているにもかかわらず、ピサの斜塔は倒れないのでしょうか? その秘密は、塔の巧妙な構造と、自然と人間の知恵が組み合わさった結果にあります。
ピサの斜塔は、中が空洞の円筒形で、重心が低く設計されています。また、塔の壁は約4メートルの厚さで、重厚な石材で築かれていて、この重厚な壁が塔を支えています。
興味深いことに、建設中に傾き始めたことに対応し、上層部を傾きと反対側にわずかに曲げて建設されました。この「バナナ型」の形状は、塔全体のバランスを調整し、安定性を高める効果があります。
長年にわたる傾斜により、塔の基盤となる地盤が徐々に圧縮され、強度が増しました。さらに、20世紀末から21世紀初頭にかけて行われた大規模な補強工事は、塔の安定性を飛躍的に向上させました。北側の地盤を掘り、鉛の重りを設置するなど、様々な工法が用いられ、傾きの進行を食い止めました。
近年では、コンピュータシミュレーションを用いて塔の構造を詳細に解析し、その安定性を評価する研究が行われています。これにより、より効果的な保全方法が開発されています。
ピサの斜塔の観光
ピサの斜塔には登れるのか
入場制限の歴史
ピサの斜塔への入場は、その歴史の中で何度か制限されてきました。最も長期にわたる入場禁止期間は、1990年から2001年までの約11年間です。この間、塔の傾斜が進行し、倒壊の危険性が高まったため、安全性の観点から入場が禁止されました。
この期間中、大規模な補強工事が行われ、塔の安定性が改善されました。その結果、2001年12月に再び一般公開されることになったのです。
現在の登頂ルール
現在、ピサの斜塔への登頂は可能です。ただし、安全性と保全の観点から、いくつかの制限が設けられています。
まず、一度に入場できる人数が制限されています。1グループ最大45人まで、そして15分おきに入場が許可されます。また、8歳未満の子どもの入場は禁止されています。
登頂には約30分ほどかかります。294段の階段を上り、頂上に到着すると、ピサの街を一望できる素晴らしい景色が広がります。特に、斜めに傾いた視界は、他では味わえない独特な体験となるでしょう。
ただし、頂上での滞在時間は制限されているため、写真撮影などは手早く済ませる必要があります。また、天候によっては登頂が中止されることもあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
予約方法
予約方法には、大きく分けて次の3つがあります。
- 公式ウェブサイト
- 旅行代理店
- オンライン旅行予約サイト
現在、ピサの斜塔へ登るには、事前に予約することが推奨されています。特に観光シーズンや週末は、当日券の購入が難しい場合があるため、早めに予約することをおすすめします。
● 参考:TICKETS|ピサの斜塔公式サイト
おすすめの写真スポット
ピサの斜塔を訪れる多くの人が、「斜塔を支えているポーズ」の写真を撮影します。この定番の写真を撮るなら、斜塔の南側がおすすめです。斜塔から少し離れた場所に立ち、カメラを低い位置に構えると、より効果的な写真が撮れます。
また、ドゥオーモ広場の北西角にある噴水付近からは、斜塔と大聖堂を一緒に収めることができます。夕暮れ時に訪れれば、黄金色に染まる斜塔の美しい姿を撮影することができるでしょう。
ピサの斜塔の歴史と科学
ガリレオ・ガリレイとの関係
有名な実験の真相
ピサの斜塔は、科学者ガリレオ・ガリレイの名前と共に語られることが多いです。伝説では、ガリレオが斜塔から異なる重さの物体を落下させ、落下速度が質量に依存しないことを実証したとされています。
しかし、この実験が実際に行われたという証拠はありません。ガリレオの落下の法則研究は、主に傾斜面を使って行われたと考えられています。
それでも、この逸話は科学の面白さや重要性を伝える上で大きな役割を果たしてきました。科学的思考の重要性を象徴する物語として、今も語り継がれています。
科学史における意義
ピサの斜塔は科学史において重要な意味を持っています。その独特な傾斜と安定性は、建築学や地質学の貴重な研究対象となっています。また、科学的方法論の重要性を象徴する存在でもあります。
さらに、斜塔の保全作業には最新の科学技術が駆使されており、地盤工学、材料科学、構造力学など、さまざまな分野の知識が活用されています。このように、ピサの斜塔は過去の遺産であると同時に、現代科学の実験場としての役割も果たしているのです。
世界遺産登録の経緯
ピサの斜塔を含む「ピサのドゥオーモ広場」は、1987年にユネスコ世界遺産に登録されました。この登録には、いくつかの重要な理由がありました。
まず、ピサの斜塔を含むドゥオーモ広場の建造物群は、中世イタリアのロマネスク様式建築の傑作として評価されました。特に、大聖堂、洗礼堂、そして斜塔(鐘楼)が一体となって作り出す景観は、他に類を見ない美しさを持っています。
また、ピサの斜塔の独特な傾斜は、人間の技術と自然の力が生み出した「偶然の芸術」として認められました。建築上の「失敗」が、逆に世界的な名所を生み出したという逆説は、人類の文化遺産としての価値を高めています。
さらに、これらの建造物が800年以上にわたって保存されてきたという事実も、高く評価されました。長年にわたる保全の努力と、それを支えてきたピサの人々の文化的意識の高さが認められたのです。
世界遺産登録により、ピサの斜塔を含むドゥオーモ広場は国際的な保護の対象となり、その保全と研究により一層の力が注がれることになりました。
観光のベストシーズン
ピサの斜塔を訪れる際、イタリアの気候と観光シーズンを考慮すると、以下のようなおすすめの時期があります。
- 春(4月〜5月):この時期は、気温が快適で観光に最適です。新緑が美しく、花々も咲き誇る季節です。ただし、イースター休暇と重なる場合は混雑する可能性があるので注意が必要です。
- 秋(9月〜10月):夏の暑さが和らぎ、観光客も減少し始めるこの時期も、ピサ訪問に適しています。葡萄の収穫祭など、地元の行事を楽しむこともできるでしょう。
これらのシーズンは、気候が穏やかで観光客も比較的少ないため、ゆったりとピサの街を楽しむことができます。
一方で、避けた方が良い時期もあります。
- 夏(6月〜8月):この時期は、気温が30度を超える日も多く、観光客も最も多くなります。特に8月は、イタリア人の夏休みシーズンと重なるため、非常に混雑します。
- 冬(12月〜2月):気温は比較的穏やかですが、雨の日が多くなります。クリスマスシーズンは観光客が増えるので注意が必要です。
ただし、オフシーズンに訪れることで、混雑を避け、よりリーズナブルな価格で旅行を楽しむこともできます。自分の好みや予算に合わせて、最適な時期を選びましょう。
また、ピサの斜塔の登頂は天候に左右されるため、晴れの日を選んで訪れることをおすすめします。雨天や強風の日は、安全のため登頂が中止される場合があります。
周辺の観光スポット
ピサの斜塔を訪れる際は、周辺の観光スポットも合わせて楽しむことをおすすめします。ドゥオーモ広場には、斜塔以外にも見どころがたくさんあります。
ピサ大聖堂(ドゥオーモ)
11世紀に建設が始まったこの大聖堂は、ロマネスク様式の傑作として知られています。内部の豪華な装飾や、ガリレオが使用したとされる燭台なども見どころです。
隣接する洗礼堂も、独特の円形の建物が特徴的です。内部の音響効果が素晴らしく、アカペラコンサートなどが開催されることもあります。
ドゥオーモ広場を囲むように建つカンポサント(墓地)も、フレスコ画や古代ローマの石棺など、芸術的・歴史的価値の高い作品が数多く展示されています。
ピサの街
中世の面影を残す魅力的な場所です。アルノ川沿いを散歩したり、地元のトラットリアで本場のトスカーナ料理を楽しんだりするのもおすすめです。
また、ピサは大学町としても有名です。1343年に設立されたピサ大学は、ガリレオの母校としても知られています。大学周辺の活気ある雰囲気も、街の魅力の一つです。
周辺の観光地
ピサから少し足を延ばせば、美しい海岸リゾート地ヴィアレッジョや、中世の街並みが残るルッカなども訪れることができます。レンタカーやツアーを利用すれば、フィレンツェやシエナなど、トスカーナ州の他の名所を巡ることも可能です。
おわりに
ピサの斜塔の独特な傾きは、建築学の驚異であり、科学の進歩を象徴し、そして人類の歴史の証人でもあります。
ピサの斜塔を訪れる際は、単に写真を撮るだけでなく、さまざまな角度から楽しんでみてください。塔に登って街を一望したり、周辺の建造物も合わせて見学したり、地元の料理を味わったりと、楽しみ方は多岐にわたります。
イタリアの旅をより充実したものにするには、インターネットの存在が欠かせません。インターネットがあれば、ピサの斜塔の歴史や建築構造についてその場で調べたり、地元のおすすめレストランを探したり、さらには自分の体験をSNSなどでリアルタイムに共有したりすることも可能です。ポケットWiFiやeSIMがあれば、快適なインターネット環境を確保し、ピサの斜塔をはじめとするイタリアの魅力を存分に楽しむことができるでしょう。
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