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アルベロベッロ観光ガイド:トゥルリの特徴・魅力・歴史・行き方などを徹底解説

アルベロベッロ観光ガイド:トゥルリの特徴・魅力・歴史・行き方などを徹底解説

2024年10月24日
2024年10月24日
アルベロベッロ

イタリア半島の「かかと」部分に当たるプーリア州にある小さな町、アルベロベッロ。

この小さな町は、まるで絵本から飛び出してきたような白い妖精の街として知られていて、円錐形の屋根を持つトゥルリと呼ばれる建物群が、その独特の景観を作り出しています。

この記事では、アルベロベッロの魅力や観光のポイント、そしてトゥルリについて詳しくご紹介します。

アルベロベッロとは

アルベロベッロ

イタリア南部プーリア州に位置するアルベロベッロは、人口は約1万人ほどですが、その独特の景観から世界中の観光客を魅了し、イタリアの人気のある観光地の一つとなっています。

アルベロベッロの魅力

アルベロベッロの最大の魅力は、なんと言ってもトゥルリと呼ばれる白い円錐形の屋根を持つ建物群です。町の中心部には1,000棟以上のトゥルリが密集しており、まるで別世界に迷い込んだかのような感覚を味わえます。

トゥルリが立ち並ぶ旧市街は大きく2つのエリアに分かれています。リオーネ・モンティとアイア・ピッコラです。リオーネ・モンティは比較的観光客向けに整備されたエリアで、お土産屋さんやカフェ、レストランが多く立ち並びます。一方、アイア・ピッコラは地元の人々が実際に生活しているエリアで、より静かでのどかな雰囲気です。

また、アルベロベッロにはトゥルリ・ソブラーノと呼ばれる2階建てのトゥルリがあります。この建物は現在博物館として公開されており、トゥルリの内部構造や当時の生活様式を知ることができる貴重なスポットとなっています。

さらに、サンタントニオ教会もアルベロベッロの見どころの一つです。この教会は珍しくトゥルリ様式で建てられており、町のシンボル的存在となっています。

世界遺産登録の理由

アルベロベッロは1996年にユネスコ世界遺産に登録されました。その理由は、独特な景観と歴史的な背景が評価されたためです。具体的には、以下の点があげられます。

  • トゥルッリのユニークな建築様式:円錐形の屋根を持つトゥルッリは、世界中で類を見ない独自の建築様式です。石積み技術などが、非常に興味深いものとして評価されています。
  • 歴史的な集落としての価値:アルベロベッロの旧市街は、トゥルッリが密集した歴史的な集落として、中世の生活様式や文化を今に伝えています。
  • 現存する伝統家屋としての価値:トゥルッリは単なる観光地ではなく、現在も多くの住民が生活する伝統的な家屋として機能しています。この点が、生きている文化遺産としての価値を高めています。
  • 地域社会との一体感:トゥルッリは、単なる建物ではなく、地域の人々の生活と深く結びついた存在です。この一体感が、アルベロベッロの文化的な価値をさらに高めています。

トゥルリとは

トゥルリ

トゥルリは、アルベロベッロを象徴する、円錐形の屋根を持つ石造りの建築物です。その独特の形状と白い外観は、多くの観光客を魅了しています。ここでは、トゥルリについてより詳しく見ていきましょう。

トゥルリはなぜ白いのか?

トゥルリが白い理由は、外壁に石灰を塗っているからです。石灰は消毒効果があり、衛生面での利点があります。また、白い外壁は太陽光を反射し、夏の暑さを軽減する効果もあり、建物を湿気から守り、耐久性を高める役割も果たしています。

さらに、実用的な理由だけでなく、美観や象徴的な意味もあります。地中海地域全体に広く見られる建築スタイルの一環であり、白は純粋さの象徴としても使われました。

トゥルリはなぜとんがっているのか?

トゥルリの特徴的な円錐形の屋根には、複数の理由が隠されています。

まず、その尖った形状は雨水の効率的な排水を可能にし、建物の耐久性を高める役割を果たしています。また、プーリア州の気候は夏の暑さと冬の寒さが厳しいことで知られていますが、この円錐形の屋根はそうした気候変動に対応し、室内の温度を一定に保つ優れた効果があります。

さらに興味深いのは、トゥルリの形状には税金対策としての側面があったという説です。かつて建物に対して課税がなされていた時代、この円錐形の屋根は容易に取り外すことができたため、必要に応じて「未完成の建物」として扱われ、税金を免れることができたとされています。

屋根の模様とその意味

トゥルリの屋根には、しばしば白い石灰で描かれた模様を見ることができます。

十字架は、キリスト教の象徴です。また、円の中に描かれた十字は太陽を表し、豊作と幸運を願う意味があります。矢じりのような形は魔除けの意味があり、邪悪な力から家族を守るとされています。

これらの模様は、トゥルリに住む人々の信仰や願いを表現したものであり、アルベロベッロの文化的側面を知る上で重要な要素となっています。

内部の構造

トゥルリは基本的には一つの大きな部屋で構成されていますが、中には小さな部屋に分かれているものもあります。

天井は、外から見える円錐形の屋根そのままで、石を一つ一つ丁寧に積み上げて作られた屋根の内側を間近で見ることができます。壁は厚く作られていて、これが断熱性能を高め、室内の温度を一定に保つ役割を果たしています。

また、多くのトゥルリには暖炉が備え付けられています。冬の寒さをしのぐためだけでなく、調理や照明にも使用されていました。壁には小さな窓が設けられていて、採光と換気の役割を果たしています。

トゥルリの床は、かつては土間でしたが、現在では多くがタイルや石で舗装されています。

トゥルリの意味とトゥルッロの違い

「トゥルリ」と似た響きをもつ言葉に「トゥルッロ」がありますが、これらには違いがあります。

  • トゥルッロ(Trullo):単数形で、1棟の円錐屋根の建物を指します。
  • トゥルリ(Trulli):複数形で、複数のトゥルッロを指す場合や、トゥルッロ様式の建築物全般を指す場合に使用されます。

つまり、アルベロベッロに立ち並ぶ個々の建物は「トゥルッロ」ですが、それらの集合体や建築様式全体を指して「トゥルリ」と呼ぶのです。

アルベロベッロの観光のポイント

トゥルリ・ソブラーノ

アルベロベッロを訪れる際は、以下のポイントを押さえておくとより充実した観光を楽しむことができます。

トゥルリの中を見学する

アルベロベッロでは、いくつかのトゥルリが一般公開されており、内部を見学することができます。たとえば、前述のトゥルリ・ソブラーノは博物館として公開されており、トゥルリの構造や当時の生活様式を詳しく知ることができます。

また、一部のトゥルリは宿泊施設やショップ、カフェとして利用されています。これらの施設を利用することで、トゥルリの内部を体験しながら、アルベロベッロの雰囲気を存分に味わうことができます。

トゥルリの中を見学する際は、現地ガイドツアーに参加するのもおすすめです。ガイドの説明を聞きながら見学することで、トゥルリの歴史や文化についてより深く理解することができます。

地元料理を味わう

アルベロベッロを訪れたら、地元の伝統料理を味わうことをおすすめします。プーリア州の料理は、新鮮な野菜や魚介類、オリーブオイルを使った健康的な料理として知られています。

特に人気のある料理には以下のようなものがあります。

  • オレキエッテ:耳の形をしたパスタは、プーリア州の代表的なパスタの一つです。ブロッコリーのソースと合わせて食べるのが一般的です。
  • ブラータチーズ:モッツァレラチーズの外側に生クリームを詰めた濃厚なチーズです。
  • フォカッチャ:オリーブオイルをたっぷり使った平たいパンで、トマトやオリーブをトッピングして食べます。

また、プーリア州は良質なワインの産地としても知られています。赤ワインが特に有名で、プリミティーヴォやネグロアマーロといった品種のワインは、地元料理との相性も抜群です。

周辺地域との組み合わせ

アルベロベッロは小さな町なので、周辺の観光地と組み合わせて訪れるのがおすすめです。

  • マテーラ:岩窟住居「サッシ」が特徴の古代都市で、まるでタイムスリップしたような体験ができます。アルベロベッロから車で約1時間半の距離にあります。
  • ポリニャーノ・ア・マーレ:断崖絶壁の上に建つ白い家々が美しい町で、アドリア海の絶景を満喫できます。アルベロベッロから車で約40分の距離にあります。
  • オストゥーニ:白壁の建物が連なる美しい町で、「アドリア海の白い町」と呼ばれています。アルベロベッロから車で約1時間の距離にあります。

これらの町を組み合わせて巡ることで、プーリア州の多様な魅力を堪能することができます。

アルベロベッロの観光所要時間

サンタントニオ教会

アルベロベッロの主要な観光スポットを巡るには、半日から1日程度の時間があれば十分でしょう。

典型的な1日の観光プランは以下のようになります。

  1. 午前中:リオーネ・モンティ地区を散策し、トゥルリ・ソブラーノを見学します。
  2. 昼食:地元のレストランでプーリア料理を楽しみます。 
  3. 午後:リオーネ・アイアピッコラ地区を散策し、サンタントニオ教会を訪れます。
  4. 夕方:展望台からアルベロベッロの街並みを一望します。

ただし、これはあくまで一例です。自分の体力や興味に合わせて、アレンジを加えてみてもよいでしょう。アルベロベッロの美しい風景と、独特の雰囲気を楽しんでください。

アルベロベッロ観光時の注意点とマナー

アルベロベッロ

アルベロベッロを観光する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 私有地への立ち入り:多くのトゥルリは現在も人が住んでいる家屋です。明らかに私有地と分かる場所には立ち入らないようにしましょう。
  • 写真撮影:人が住んでいるトゥルリを撮影する際は、住人のプライバシーに配慮しましょう。窓の中をのぞき込むような撮影は避けてください。
  • 地元の人々への配慮:アルベロベッロは観光地である一方で、人々の生活の場でもあります。大声で騒いだり、深夜まで騒いだりすることは控えましょう。
  • 服装:教会などの宗教施設を訪れる際は、肌の露出を控えめにしましょう。特に夏場は薄着になりがちですが、肩や膝が隠れる服装を心がけましょう。
  • ゴミの持ち帰り:街の美観を保つため、ゴミは指定されたゴミ箱に捨てるか、持ち帰りましょう。

これらの点に気をつけることで、地元の人々と観光客がお互いに気持ちよく過ごすことができるはずです。

アルベロベッロへのアクセス

アルベロベッロは、南イタリアにある小さな町です。イタリアの各都市からは次のような移動手段があります。

ツアーを手配しない場合

各都市からの具体的なルート:

  • ミラノから:ミラノ中央駅からローマを経由してバーリへ向かいます。所要時間は約8時間です。
  • ローマから:ローマ・テルミニ駅から高速列車でバーリへ向かいます。所要時間は約4時間半です。
  • ナポリから:ナポリ中央駅から高速列車でバーリへ向かいます。所要時間は約3時間半です。

バーリからアルベロベッロへ:

  • 鉄道:地方鉄道のSUD-EST線に乗り換えて、約1時間半でアルベロベッロに到着します。
  • バス:SITAなどのバス会社が運行するバスを利用します。所要時間は鉄道とほぼ同じです。
  • レンタカー:バーリ空港や市内駅周辺でレンタカーを借りて、約1時間でアルベロベッロに到着できます。

アルベロベッロでの移動:

アルベロベッロの旧市街は徒歩で十分に観光できますが、周辺の観光地へ行く場合は、レンタカーやタクシーを利用するのが便利です。アルベロベッロの石畳の路地は、スーツケースなどの大きな荷物を持って歩くのは少し大変なので、注意しましょう。

ツアーを手配する場合

バーリやレッチェなどの主要都市から、アルベロベッロへの日帰りツアーが多数催行されています。交通手段や観光ガイドがセットになっているため、手軽に観光を楽しめます。

おわりに

まるで白い妖精たちが集う童話の世界。そんな幻想的な景色が広がるアルベロベッロは、きっと忘れられない思い出となるでしょう。

石造りのトゥルリが立ち並ぶ街並みを歩けば、まるでタイムスリップしたかのよう。古き良きイタリアの歴史と文化が、あなたを優しく包み込みます。また、プーリア州の豊かな自然が育んだ食材たちが、あなたの舌を楽しませてくれるはずです。

そして、この魔法のような体験をより豊かにするのが、インターネットです。インターネットに接続できれば、地図アプリを使って、アルベロベッロまでの最適な交通手段を簡単に確認できます。また、トゥルリの歴史や構造について詳しく学んだり、トゥルリ・ソブラーノの営業時間を調べたりすることができます。地元料理の評判店を探したりすることも可能ですし、翻訳アプリでメニューを日本語に訳せば、安心して料理を注文できます。美しいトゥルリの風景は、SNSですぐに共有できるでしょう。

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