インドネシア料理といえば?有名・伝統的・世界一の料理一覧!特徴も解説
「世界一おいしい料理」に選ばれたこともあるインドネシア料理。その魅力は、驚くほど豊かな食材と、絶妙なスパイスの使い方にあります。
この記事では、ナシゴレンやサテといった馴染みのある料理から、まだ日本であまり知られていない郷土料理まで、インドネシア料理の世界をご案内します。きっとあなたも、インドネシア料理のとりこになるはず!
インドネシア料理の特徴
インドネシア料理の最大の特徴は、その多様性です。17,000以上の島々からなるこの国では、地域ごとに異なる食文化が発展してきました。
しかし、いくつかの共通点も見られます。
- スパイスの豊富さ:インドネシア料理には、ターメリック、レモングラス、ガランガル、カフィアライムの葉など、様々なスパイスが使われています。これらのスパイスが、料理に深みと複雑さを与えています。
- ココナッツミルクの活用:多くの料理で、ココナッツミルクがソースやカレーのベースとして使われており、まろやかさと豊かな風味を加えています。
- 揚げ物:テンペ(大豆の発酵食品)やトウフの揚げ物、クルプック(えびせんべい)など、カリッとした食感を楽しめる料理が豊富です。
- ご飯との相性の良さ:多くのインドネシア料理は、白米と一緒に食べることを前提に作られています。ナシゴレンのような米料理はもちろん、様々なおかずを白米と組み合わせて食べるのが一般的です。
- 宗教の影響:インドネシアはイスラム教徒が多数を占めるため、豚肉を避けるなど、宗教的な影響を受けた料理も数多く存在します。
では、これらの特徴を踏まえつつ、具体的に料理をみていきましょう。
有名・伝統的なインドネシア料理
ナシゴレン (Nasi Goreng)
ナシゴレンは、インドネシアを代表する料理の一つです。「ナシ」はインドネシア語で「ご飯」、「ゴレン」は「炒める」という意味で、つまり「炒めご飯」のことです。
ナシゴレンの魅力は、その多様性です。基本的には炒めたご飯にエビ、鶏肉、野菜などを加え、醤油やチリソースで味付けしますが、地域や家庭によって具材や味付けが異なります。たとえば、ジャカルタでは甘いケチャップマニスを多用し、甘辛い味付けが好まれる一方、スマトラ島では唐辛子を使ったサンバルを多用し、よりスパイシーな味付けが特徴です。
一般的なナシゴレンには、目玉焼きやクルプック(エビせんべいなど)が添えられることが多く、これらの組み合わせが絶妙な味わいを生み出します。屋台から高級レストランまで、様々な場所で提供されており、朝食から夜食まで、いつでも楽しむことができます。
ミーゴレン(Mie Goreng)
ミーゴレンの「ミー」は麺という意味で、インドネシア風焼きそばです。黄色の中華麺を主に使用し、ケチャップマニスやソイソースで味付けした、香ばしく風味豊かな一品です。
ミーゴレンの特徴は、その香ばしさと麺の食感。適度に炒められた麺は、ほどよく油が絡み、香ばしい香りを放ちます。
ミーゴレンは、屋台から高級レストランまで、様々な場所で提供されています。夜市や屋台で食べるミーゴレンは、その雰囲気も相まって格別な味わいを楽しむことができるでしょう。地域によっても味付けや具材に違いがあり、ジャワ島では甘い味付け、バリ島では少しスパイシーな味付けが特徴です。インスタント麺としても販売されており、手軽に楽しむこともできます。
ナシチャンプル(Nasi Campur)
ナシチャンプルは、インドネシア語で「ご飯」を意味する「ナシ」と、「混ぜる」を意味する「チャンプル」を組み合わせた言葉で、様々な種類のおかずを白米と一緒に盛り付けた料理です。
一般的なおかずには、サテリリット(豚肉のミンチを串焼き)、ウラップ(野菜のココナッツ和え)、アヤムゴレン(揚げ鶏)、テロール・ブムブ・バリ(ゆで卵のスパイス和え)、サムバル(辛味ペースト)、カチャン・ゴレン(揚げピーナッツ)などがあります。
ナシチャンプルは、バラエティ豊富なのが魅力。お店によって、また注文する人の好みによって、盛り付けられるおかずの種類や量を変えることができます。そのため、何度食べても飽きることがなく、毎回新しい味の組み合わせを楽しむことができるのです。
サテ (Sate)
サテは、インドネシアを代表する串焼き料理で、日本の焼き鳥に似ています。ジャワ島が発祥と言われ、アラビアからの移民の料理を改良したものが起源とされています。
サテには様々な種類があります。鶏肉(サテ・アヤム)、牛肉(サテ・サピ)、羊肉(サテ・カンビン)などが一般的ですが、地域によっては魚や内臓を使ったサテも見られます。バリ島では豚肉のサテ(サテ・ババビ)が人気です。
サテの魅力は、なんといっても香辛料でマリネされた肉を炭火で焼き上げた香ばしさと、ピーナッツソースの濃厚な味わいの組み合わせです。ピーナッツソースは、ローストしたピーナッツをすりつぶし、ココナッツミルク、醤油、チリなどと混ぜて作られます。このソースがサテの味を引き立て、独特の風味を生み出しているのです。
サテは通常、5〜10本ほどを1人前として提供されます。路上の屋台から高級レストランまで、インドネシアのあらゆる場所で見かけることができる人気メニューです。
ガドガド(Gado-Gado)
ガドガドは、インドネシア語で「混ぜる」という意味の「ガド」が語源の、温野菜に甘辛いピーナッツソースをかけたサラダのような料理です。様々な種類の茹で野菜を、ピーナッツベースの濃厚なソース「ブンブ・ガドガド」で和えて食べます。
ブンブ・ガドガドは、ピーナッツの他に、唐辛子、ニンニク、シャロット、レモングラス、アヤム(鶏肉)、テンプエ(大豆を発酵させた食品)など、様々なスパイスや調味料をすりつぶして作られます。これらの食材が複雑な風味を生み出し、野菜の旨みをさらに引き立てます。
ガドガドの具材は、ゆでた野菜(インゲン、ニンジン、キャベツなど)、ゆで卵、テンペやトウフの揚げ物、ゆでたジャガイモなどが一般的ですが、地域やお店によって異なります。モヤシ、オクラ、ビーツなどが加わることもあります。
ガドガドは、通常、バナナの葉の上に盛り付けられ、手で食べるのが一般的です。屋台から高級レストランまで、様々な場所で提供されており、インドネシアでは定番の料理の一つです。
バクソ (Bakso)
バクソは、インドネシアで最も愛されている国民食の一つです。肉団子(バクソ)を、だし汁と麺と一緒に食べる汁麺料理で、インドネシアの屋台料理の代表格です。
バクソの肉団子は、通常、牛肉のミンチを使って作られますが、鶏肉や魚を使うこともあります。スープには、細麺や春雨が入っていることが多く、他にも揚げワンタン、豆腐、青菜、揚げパンなどが添えられます。テーブルには通常、酢や醤油、チリソースなどの調味料が置かれており、好みで味を調整することができます。
バクソは、インドネシア全土で食べられていますが、地域によって味付けや具材に特徴があります。たとえば、ジャワ島では甘い醤油ベースのスープが一般的ですが、他の地域では、辛味のあるスープや、ココナッツミルクを使ったスープなど、様々なバリエーションがあります。
ルンダン (Rendang)
ルンダンは、インドネシアの西スマトラ州(ミナンカバウ地方)発祥の料理で、現在ではインドネシア全土で愛されています。牛肉をココナッツミルクとシナモン、クローブ、カルダモン、レモングラスなどのスパイスでじっくり煮込んだ料理で、口に入れると肉の旨味とスパイスの香りが広がります。
長時間煮込むことで水分が飛び、肉がほろほろになるまで柔らかく煮込まれ、スパイスの香りが肉に染み込んだ深い味わいが特徴です。ココナッツミルクのコクとスパイスの香りが絶妙に調和し、複雑で奥深い味わいを生み出します。
ルンダンは、常温で数日間保存できるだけでなく、冷蔵保存すればさらに長く保存することができます。そのため、昔は長期保存食として重宝されていました。
2017年、CNNの読者投票で「世界で最も美味しい料理」の第1位に選ばれたことでも知られています。これ以来、ルンダンの国際的な知名度は大きく上昇し、インドネシア料理を代表する一品として認識されるようになりました。
バリ島で食べるべきインドネシア料理
バリ島は、インドネシアの中でも独特の食文化を持つ地域として知られています。ヒンドゥー教の影響を強く受けているバリ島では、他のインドネアの地域とは異なる料理が発達しました。
バビグリン(Babi Guling)
バビグリンは、バリ島を代表する豚の丸焼き料理です。「バビ」は豚、「グリン」は回転させるという意味です。
調理法は非常に手の込んだもので、子豚の皮下にターメリック、コリアンダー、ニンニクなどのスパイスを詰め、炭火の上でゆっくりと回転させながら焼き上げます。この過程で、肉はしっとりと柔らかく、皮はパリパリに仕上がります。
バビグリンは通常、ラワール(ココナッツとスパイスのサラダ)やサテ・リリット(豚ひき肉の串焼き)、サンバル(チリソース)などと一緒に提供されます。これらの付け合わせが、さらに味を引き立てます。
かつては祭事や特別な行事の料理でしたが、現在では観光客向けのレストランでも楽しめます。ただし、イスラム教徒の多い他の地域では珍しく、バリ島ならではの特別な料理と言えるでしょう。
ジャワ島で食べるべきインドネシア料理
ジャワ島は、インドネシアで最も人口が多く、文化的にも重要な島です。ジャワ料理は、一般的に甘めの味付けが特徴とされています。
グドゥッ (Gudeg)
グドゥッは、インドネシアのジョグジャカルタを代表する伝統料理です。若いジャックフルーツをココナッツミルク、パームシュガー、レモングラス、ガランガル、クミンなどのスパイスと共に8時間以上かけてじっくり煮込んだ料理で、甘辛い独特の味わいが特徴です。
グドゥッは、ジョグジャカルタの王宮料理として発展し、その後庶民の食卓にも広まりました。水分が多い「グドゥッ・バサ」と、水分が少なく煮詰まった「グドゥッ・クリン」の2種類があり、グドゥッ・バサは朝食に、グドゥッ・クリンは夕食に食べられることが多いです。
ジャックフルーツは煮込むことで、ほろほろとした独特の食感になり、肉のような風味も楽しめます。甘辛いグドゥッは、鶏肉や牛皮の煮込み、ゆで卵、豆腐やテンペの揚げ物などと一緒に白米と共に食べると、より一層美味しくいただけます。
ジョグジャカルタを訪れた際には、ぜひグドゥッを試してみてください。朝食から夜食まで楽しめる料理で、お土産としても人気があります。
インドネシア料理に欠かせない調味料
インドネシア料理の魅力の一つは、その豊かな味わいです。その味わいを作り出す重要な要素が、独特の調味料です。中でも、サンバルはインドネシア料理には欠かせない存在です。
サンバル (Sambal)
サンバルは、インドネシアの代表的な調味料で、主に唐辛子をベースにした辛味のあるソースです。インドネシアの食卓には、必ずと言っていいほどサンバルが置かれています。
防腐効果があるため、暑い気候のインドネシアでは食品の保存に役立ってきました。さらに、唐辛子に含まれるカプサイシンには新陳代謝を高める効果があるとされ、暑い気候での食欲増進にも寄与していると考えられています。
地域や家庭によって様々なバリエーションがあります。たとえば、最もポピュラーな「サンバル・ウレック」は、赤唐辛子、にんにく、塩、ライムジュースなどを混ぜて作ります。「サンバル・トマト」は、その名の通りトマトを加えてまろやかな味わいに、「サンバル・テラシ」は小エビの発酵ペーストを加えて深みのある味わいに仕上げます。
ナシゴレンにサンバルを加えると、より深みのある味わいになります。また、ガドガドのようなさっぱりとした料理にサンバルを加えると、より刺激的な味わいを楽しむことができます。
サンバルは、辛さを調整する役割も果たします。インドネシア料理は一般的に辛いイメージがありますが、実際には料理自体はそれほど辛くない場合も多いのです。代わりに、サンバルを別添えで提供し、食べる人が好みの辛さに調整できるようにしています。
おわりに
インドネシアの魅力は、その驚くべき多様性にあります。17,000以上の島々からなるこの国では、それぞれの地域で独自の食文化が花開いてきました。この記事で紹介した料理は、その豊かな食文化のほんの一部に過ぎません。
インドネシア料理の真髄を味わうには、実際に現地を訪れてみましょう。特に、地元の屋台や小さな食堂では、本物の味に出会えるでしょう。各地を巡り、自分だけのお気に入りの一品を見つける旅は、きっと忘れられない経験となるはずです。
旅の際には、おいしい料理を探すためにもインターネット接続が役立ちます。レストランの口コミや地図アプリを活用するには、レンタルWiFiやeSIMの利用がおすすめです。
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