ヴェルサイユ宮殿の魅力|見どころ、歴史、特徴、世界遺産登録の理由などを解説
パリから南西に約20キロ。そこには、フランス絶対王政の栄華を今に伝える壮大なヴェルサイユ宮殿が佇んでいます。
ルイ14世が築き上げた、芸術と権力の象徴であるこの宮殿は、毎年何百万人もの観光客を魅了し続けています。
この記事では、歴史や建築様式、マリー・アントワネットとの関係、そして見どころから周辺観光スポット、さらにはオリンピックでの役割まで、ヴェルサイユ宮殿を訪れる前に知っておきたい情報をすべてお届けします。
概要
ヴェルサイユ宮殿は、フランスのイヴリーヌ県ヴェルサイユに位置する壮大な王宮です。17世紀から18世紀にかけてフランス王家の居城として使用され、1682年から1789年のフランス革命まで、フランス王国の政治の中心地でした。
宮殿は、本館、トリアノン宮殿群、そして広大な庭園から構成されています。総面積は約800ヘクタールにも及び、その規模の大きさは世界屈指です。
建築様式は、フランス・バロック様式を基調としていますが、内装にはロココ様式も取り入れられています。宮殿内部には700以上の部屋があり、そのほとんどが豪華絢爛な装飾で彩られています。
特に有名なのは「鏡の間」と呼ばれる大広間で、357面もの鏡が使用された壮麗な空間は、訪れる人々を圧倒します。また、幾何学的なデザインの庭園や、噴水、彫刻なども見どころの一つです。
ヴェルサイユ宮殿は1979年にユネスコ世界文化遺産に登録され、現在では年間600万人以上もの観光客が訪れる、フランスを代表する観光地となっています。
歴史と背景
ヴェルサイユ宮殿の歴史は、17世紀初頭にルイ13世の狩猟用の小さな城館として始まりました。しかし、ルイ14世の時代に、フランス絶対王政の象徴として大規模な拡張が行われ、現在の壮大な姿へと変貌を遂げました。
その後、1682年にはパリからヴェルサイユに宮殿が移転し、政治の中心地となります。
ルイ15世の時代には内装の一部がロココ様式に改装され、小トリアノン宮殿が建設されました。ルイ16世とマリー・アントワネットの時代には、有名な王妃の村里が作られましたが、1789年のフランス革命により王族は強制退去させられました。
革命後、宮殿の多くの美術品が略奪や破壊の対象となりましたが、19世紀には一部修復が行われ、1837年に博物館として一般公開が始まりました。20世紀に入ると、ヴェルサイユ条約の調印場所となり、1979年にはユネスコ世界文化遺産に登録されました。
ヴェルサイユ宮殿は単なる王宮以上の存在で、フランスの絶対王政の力と栄華を表現するための舞台であり、ヨーロッパの政治・文化の中心地でもありました。
ルイ14世は貴族たちを宮廷に集めることで彼らの力を抑え、中央集権的な統治を強化しました。また、宮殿は芸術の中心地としても機能し、音楽、演劇、バレエ、建築、庭園設計など、様々な分野で新しい様式や技術が生み出されました。
見どころ
ヴェルサイユ宮殿には数多くの見どころがありますが、特に注目すべきスポットを5つご紹介します。
鏡の間
鏡の間はヴェルサイユ宮殿で最も有名な部屋で、357枚の鏡が設置された壮大な空間です。天井にはルイ14世の治世を称えるシャルル・ルブランによる絵画が描かれており、この場所は非常に歴史的な重要性を持っています。
王と王妃の寝室
王と王妃の寝室は豪華な装飾と家具で彩られています。王の寝室では、ルイ14世の起床と就寝の儀式が行われ、王妃の寝室はマリー・アントワネットが使用した優雅なロココ様式の部屋として知られています。
庭園
庭園は総面積約800ヘクタールのフランス式庭園の傑作で、幾何学的なデザインや噴水、彫刻が特徴です。アポロンの泉や大運河、ラトナの泉などが見どころとなっています。
大トリアノン宮殿と小トリアノン宮殿
大トリアノン宮殿と小トリアノン宮殿は、メインの宮殿から離れた小規模な宮殿群です。大トリアノン宮殿はルイ14世が愛人のために建てた宮殿で、小トリアノン宮殿はルイ15世がポンパドゥール夫人のために建てた後、マリー・アントワネットのお気に入りの場所となりました。
王妃の村里
最後に、王妃の村里は、マリー・アントワネットが宮廷生活から逃れるために造られた、理想化された農村風の建物群です。
有名な理由
ヴェルサイユ宮殿が世界的に有名な理由は主に3つあります。
まず、ヴェルサイユ宮殿は、フランスの絶対君主制を象徴する建築物として知られています。ルイ14世は王権の絶対性を視覚的に表現し、貴族たちを宮廷に集めて中央集権化を進め、彼らの力を抑制しました。宮殿の規模と豪華さ、そして厳格な宮廷儀式は、王権の力を誇示するための巨大な舞台となりました。
次に、重要な歴史的出来事の舞台となったことが挙げられます。第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約調印、ドイツ帝国成立宣言など、世界史に名を刻む出来事がここで行われました。
最後に、1979年にユネスコ世界文化遺産に登録されたことも大きな理由です。建築と景観デザインの傑作であり、ヨーロッパ宮廷文化の影響を示す重要な例として認められました。これにより、ヴェルサイユ宮殿の文化的・歴史的価値が国際的に認められ、その保護と活用が進められています。
ツアーとチケット情報
基本情報
ヴェルサイユ宮殿を訪れる前に、まずは基本情報をおさえておきましょう。
- 所在地:Place d'Armes, 78000 Versailles, France
- 開館時間:
宮殿:9:00〜17:30(11月〜3月)、9:00〜18:30(4月〜10月)
庭園:8:00〜18:00(11月〜3月)、8:00〜20:30(4月〜10月)
- 休館日:毎週月曜日、12月25日、1月1日
- 入場料:
パスポート(宮殿・庭園・トリアノン宮殿へのフルアクセス):大人27ユーロ、18歳未満無料
宮殿のみ:大人18ユーロ、18歳未満無料
- 公式サイト:https://www.chateauversailles.fr/
※料金や開館時間は変更される可能性があるため、訪問前に公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
チケット
ヴェルサイユ宮殿には複数の種類のチケットがあります。主なものは以下の通りです。
入場できるエリア | おすすめの方 | |
---|---|---|
パスポート | ヴェルサイユ宮殿、庭園、トリアノン宮殿群へのフルアクセス | 1日かけてじっくり見学したい方向け |
宮殿チケット | ヴェルサイユ宮殿のみの入場 | 時間が限られている方向け |
リアノン・ドメーヌ・チケット | 大トリアノン宮殿、小トリアノン宮殿、王妃の農村への入場 | ヴェルサイユ宮殿とは異なる雰囲気を楽しみたい方向け |
上記以外にも、公式ガイド付きツアーやオーディオガイド付きのプランもあります。
チケットは、現地購入も可能ですが、混雑時は長時間待つ可能性があるため、公式ウェブサイトから事前購入がおすすめです。
観光時間の目安
ヴェルサイユ宮殿を十分に楽しむためには、ある程度の時間が必要です。推奨される観光時間は次のとおりです。
- ヴェルサイユ宮殿のみ:約1時間半〜2時間
- ヴェルサイユ宮殿・庭園:約3〜4時間
- ヴェルサイユ宮殿・庭園・トリアノン宮殿:終日
これらの時間は、見学の目的や興味に応じて調整することをおすすめします。たとえば、歴史や芸術に深い関心がある場合は、より長い時間を確保するとよいでしょう。
注意事項
ヴェルサイユ宮殿は、夏季や週末は特に混雑します。時間帯は、開館直後か、昼食時間帯(12:00-14:00)の入場がおすすめです。
また、宮殿内部では、フラッシュ撮影禁止で、三脚の使用は許可が必要です。
パリオリンピック
2024年のパリオリンピックにおいて、ヴェルサイユ宮殿では、主に馬術競技と近代五種の馬術部門が行われる予定です。
馬術競技は、宮殿の庭園内に特設されたコースで行われます。具体的には、馬の演技の正確さや美しさを競う馬場馬術、障害物を決められた順番通りにコースを回る障害馬術、そして馬場馬術・クロスカントリー・障害馬術の3つの種目を同じ人馬のコンビで行う総合馬術の3種目が実施されます。
これらの競技が歴史的な庭園を背景に行われることで、優雅さと競技性が見事に融合した光景が生まれるでしょう。
近代五種の馬術部門も同じコースを使用し、フェンシング、水泳、射撃、ランニングと合わせて行われる総合競技の一部となります。
パリからのアクセス
パリからヴェルサイユ宮殿へのアクセス方法は主に3つあります。
- RER C線
- パリ市内から直通
- Versailles - Château - Rive Gauche(ヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ)駅で下車
- 駅から宮殿まで約600m
- SNCF(フランス国鉄)
- パリのMontparnasse(モンパルナス)駅から出発
- Versailles Chantiers(ヴェルサイユ・シャンティエ)駅で下車
- 駅から宮殿まで約1km ※無料シャトルバスあり
- バス(Versailles Express)
- パリのPont de Sèvres(ポンドセーヴル)駅前バス停から出発
- 所要時間約30分
- 宮殿前で下車
おわりに
ヴェルサイユ宮殿は、フランスの歴史と文化が凝縮された魅力的な観光地です。
壮麗な宮殿、美しく整備された庭園、そして数々の歴史的な逸話など、訪れる人々を飽きさせません。また、宮殿内を見学したり、庭園を散策したりすることで、フランス絶対王政時代の雰囲気を体験することができます。
ヴェルサイユ宮殿、そしてフランス観光を楽しむためには、レンタルWiFiやeSIMの利用をおすすめします。
インターネットに接続することで、旅行がより充実したものになります。たとえば、宮殿のチケットをオンラインで予約し、行列に並ぶ時間を節約できます。また、庭園内でリアルタイムに景色の解説を読んだり、美しい風景の写真をすぐにSNSにアップロードしたりすることも可能です。道に迷った時には地図アプリで現在地を確認し、最寄りのカフェやレストランの評判をチェックすることもできます。さらに、メニューの注文時に翻訳アプリを使えば、言葉の壁を越えて本場のフランス料理を楽しむこともできるでしょう。
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