韓国料理といえば、キムチやビビンバ、サムギョプサルなどが有名ですが、実は韓国には日本人にあまり知られていない絶品料理がたくさんあります。

その中でも、夏の定番料理として韓国人に愛されている「コングクス」をご存知でしょうか？コングクスは、冷たい豆乳スープに麺を入れた料理で、暑い夏の日に体を冷やし、栄養も摂れる料理です。豆乳ベースのスープが特徴的で、独特の風味と食感を楽しめます。

この記事では、このコングクスの魅力や楽しみ方、そしてソウル市庁エリアにある3大コングクス店をご紹介します。

コングクスとは？

コングクス（콩국수）は、韓国語で「コン（콩）」は豆、「ククス（국수）」は麺を意味します。その名の通り、豆乳をベースにしたスープに麺を入れた料理です。

夏に食べられる冷たい麺料理として人気で、韓国の家庭料理としても親しまれています。町中の飲食店ではシーズンになると「コングクス開始（콩국수 개시）」の貼り紙が出るので、日本の冷やし中華的存在といえるかもしれません。

コングクスの特徴は、何と言ってもそのクリーミーで濃厚な豆乳スープです。豆乳特有のまろやかさと、ほのかな甘みが特徴的で、冷たいスープながらも体に優しい味わいです。麺は主に小麦粉を使った細めの麺が使われますが、地域や店によっては太めの麺を使うこともあります。

コングクスの味

コングクスの魅力は、その独特の味わいと食感にあります。まず、口に入れた瞬間に感じるのは、冷たくてクリーミーな豆乳スープの滑らかさです。豆乳特有のまろやかさと、ほのかな甘みが口いっぱいに広がります。

スープには、すりゴマや塩で味付けがされているため、豆乳だけの単調な味わいではありません。ゴマの香ばしさと塩味が、豆乳の甘みを引き立て、複雑で奥深い味わいを生み出しています。

麺は、つるつるとした食感の麺が一般的です。冷たいスープと絡み合い、さっぱりとした喉越しを楽しめます。麺をすするたびに、冷たいスープが口の中に広がり、暑い夏の日には格別な涼しさを味わえます。

トッピングには、キュウリやトマト、ゆで卵などが使われることが多く、シャキシャキとしたキュウリや、ジューシーなトマトが、まろやかな豆乳スープにアクセントを加え、より豊かな味わいを演出します。

コングクスのレシピ

コングクスは、簡単に作ることができます。主な材料と基本的な作り方をご紹介します。

主な材料：

• ○　豆乳
• ○　素麺
• ○　すりゴマ
• ○　塩
• ○　キュウリ
• ○　トマト
• ○　ゆで卵

簡単な作り方：

1. 1.　豆乳を冷やしておきます。
2. 2.　すりゴマと塩を豆乳に加え、よく混ぜます。この時、好みの濃さになるよう水で調整します。
3. 3.　麺を茹でて、冷水でよく冷やします。（素麺で作れます）
4. 4.　キュウリは細切りに、トマトは小さめに切り、ゆで卵は半分に切ります。
5. 5.　器に冷やした素麺を入れ、準備した豆乳スープをかけます。
6. 6.　最後に、キュウリ、トマト、ゆで卵をトッピングして完成です。

この基本的なレシピをベースに、好みの具材を追加したり、味付けを調整したりすることで、自分好みのコングクスを作ることができます。韓国のコングクス店では、キムチや刻みねぎなどの薬味が別添えで提供されることがあります。

家庭や地域によって少しずつレシピが異なるのも、コングクスの魅力の一つです。

ソウル３大コングクス

ソウルには数多くのコングクス専門店がありますが、その中でも特に人気が高く、通称「ソウル３大コングクス」と呼ばれている店舗があります。

ここでは、ソウル市庁エリアにある３つの名店をご紹介します。

晋州会館（チンジュフェグァン）

晋州会館は、1962年の創業以来、半世紀以上にわたってコングクスを提供し続けている老舗店です。店名の「晋州」は、創業者の故郷である晋州(チンジュ)に由来しているとか。

この店のコングクスの特徴は、契約農家で栽培された豆を使ったスープ。濃厚で、豆の風味がしっかりと感じられ、まろやかな味わいが特徴的です。麺は細めの素麺を使用し、つるつるとした食感が楽しめます。

晋州会館（チンジュフェグァン）では、自家製のキムチが評判で、コングクスに味の変化がほしいときに、このキムチを乗せて食べると最高です。

●　店名：진주회관

●　住所：26 Sejong-daero 11-gil, Jung District, Seoul, 韓国

晋州（チンジュ）チッ

晋州チッは、汝矣島（ヨイド）にあるデパートの地下街食堂で長年営業されている人気店です。1985年の創業以来、多くの常連客に愛され続けています。

この店のコングクスの特徴は、豆の風味を強く感じられるスープにあります。豆乳の甘みと塩味のバランスが絶妙で、煎りごまの香りと相まってどっしりとした風味が特徴です。麺は、やや太めの麺を使用しており、もちもちとした食感を楽しめます。

晋州会館（チンジュフェグァン）では、付け合わせとして果物や海産物など多くの食材が入った付け合せのポッサムキムチが提供されますが、コングクスとの相性の良さが抜群です。

●　店名：진주집

●　住所：韓国 Seoul, Yeongdeungpo District, Gukjegeumyung-ro 6-gil, 33 지하 1층

マッチャラン

先に紹介した晋州会館 (チンジュフェグァン)と晋州（チンジュ）チッは、市庁エリアにありますが、このマッチャランは江南エリアにあります。「マッチャラン」とは、直訳すると、「味自慢」という意味。

この店のコングクスの特徴は、小麦麺ではなく、そば粉を使った麺。豆乳スープは、こってり濃厚。クリームパスタやホワイトソースぐらいのクリーミーさがありますが、くどくなく最後までおいしく食べ続けることができる一品です。

トッピングとして、キュウリやトマトが添えられます。

●　店名：맛자랑

●　住所：524 Seolleung-ro, Samseong-dong, Gangnam District, Seoul, 韓国

おわりに

韓国料理は、キムチやビビンバ、サムギョプサルなど、日本でもよく知られているものが多くあります。しかし、コングクスのように、まだあまり知られていない絶品料理もたくさんあります。

韓国旅行の際には、有名な料理だけでなく、現地の人々に愛されているローカルフードにも挑戦してみましょう。きっと新しい発見があるはずです。

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