中国出張の注意点!VPN規制・反スパイ法・スマホ使用について解説

グローバルビジネスにおいて避けて通れない中国市場。しかし、「グレートファイアウォール」と呼ばれるインターネット規制や、近年強化された「反スパイ法」により、日本からの出張者は様々な課題に直面しています。
スマートフォンやパソコンは検閲されるのか?VPNは使えるのか?信頼できる通信手段は?
この記事では、安全かつ成果を残せる中国出張を実現するために知っておくべき最新情報と対策を解説します。

中国出張前に知っておくべき基本情報
中国でのインターネット環境の特徴
中国のインターネット環境は、いわゆる「グレートファイアウォール」と呼ばれる政府による厳格な規制が敷かれています。これにより、日本では日常的に使用されているGoogle(Gmail、Google検索、Googleマップ)、YouTube、LINE、X(Twitter)、Facebook、Instagramなどの多くのサービスが利用できません。
代わりに中国では、Baidu(百度)が検索エンジンとして、WeChat(微信)がメッセージングとSNSプラットフォームとして普及しています。
これらの制限は単なる不便さだけでなく、ビジネスコミュニケーションや情報収集に大きな影響を与えるため、事前にインターネット環境について検討しておく必要があります。
VPNの規制と利用の注意点
多くのビジネス渡航者はVPN(仮想プライベートネットワーク)を使用して、これらの制限を回避しようとします。しかし、中国政府はVPNの使用に対しても厳しい姿勢を取っており、多くの一般的なVPNサービスはブロックされています。
重要なのは、中国ではVPNの使用自体が必ずしも違法ではないものの、承認されていないVPNの使用や提供は規制の対象となる可能性があることです。
● 関連記事:海外VPNをわかりやすく:出張や旅行にはグロモバWiFiがおすすめ
中国出張の通信手段
反スパイ法と検閲のリスク
2023年7月に改正・施行された「反スパイ法」(中華人民共和国反間諜法)は、国家安全を脅かすスパイ行為の定義を拡大し、国家安全機関の権限を強化しました。この法律により、中国の国家安全機関は電子機器を検査する権限を持ち、それは外国人の電子機器も例外ではありません。
特に、2024年7月から施行された新規定では、パソコンやスマートフォンなどの電子機器が検閲の対象となる可能性が高まっています。一部の報道では、国家安全当局がスパイ行為の疑いがある場合、個人のパソコンやスマートフォンを検査できる権限が明確化されたとされています。 一方で、中国当局は、入国時に全ての渡航者の携帯電話を検査するとの主張を否定し、特定のスパイ容疑者に限定されると説明しています。
したがって、一般の入国者が無差別に電子機器の検査を受ける可能性は低いと考えられますが、特定の状況下では検査が行われる可能性があるため、機密情報の取り扱いには注意が必要です。
会社PC・スマートフォンの持ち込み
このような状況を考慮すると、機密情報を含む会社のパソコンやスマートフォンを中国に持ち込むことにはリスクが伴います。以下のポイントを検討する必要があります。
- ● セキュリティリスク:電子機器の検閲により、会社の機密情報が閲覧される可能性があります。
- ● 必要性の評価:業務に本当に必要かどうかを慎重に検討しましょう。
- ● 代替手段:クラウドサービスの利用や、必要最小限のデータのみを含む専用の出張用PCの使用を検討することが賢明です。
WiFi・eSIMの選び方と利用方法
中国滞在中の安定したインターネット接続を確保するためには、以下の選択肢を検討しましょう。
- ● レンタルWiFi:日本で中国専用のポケットWiFiをレンタルすることで、複数の端末を接続できる安定した通信環境を確保できます。特に、中国のインターネット規制に対応した専用のサービスを選ぶことが重要です。
- ● eSIM:最新のスマートフォンであれば、物理的なSIMカードを挿入せずに、eSIMを利用できる場合があります。出発前にeSIMを購入しておけば、中国到着後すぐにローカルの通信網に接続できます。
- ● 現地SIMカード:滞在期間が長い場合は、現地でSIMカードを購入する選択肢もあります。ただし、購入には身分証明書(パスポート)が必要です。
いずれの方法でも、事前に準備しておくことが重要です。特に短期出張の場合は、信頼できるポケットWiFiサービスを日本でレンタルすることで、安心して通信環境を確保できます。
安全にインターネットを利用するために
出張者が重視すべきセキュリティ対策
中国出張時のデバイスセキュリティを高めるための主要な対策は以下の通りです。
- ● データの最小化:必要最小限のデータのみを端末に保存し、機密情報は可能な限り持ち込まない。
- ● 暗号化:持ち込む必要のあるファイルは強力なパスワードで暗号化する。
- ● バックアップ:重要なデータは別の場所(日本のサーバーなど)にバックアップしておく。
- ● パスワード保護:すべての端末に強力なパスワードやPINを設定し、生体認証も活用する。
- ● 公共WiFiの利用制限:ホテルや公共の場所でのWiFiは極力避け、自分専用のWiFiを使用する。
機密情報を含むPCやHDD、Google DriveやDropbox、OneDriveなどのクラウドストレージがインストールされた端末(中国では利用できないため注意が必要)、政府関連・政治問題に関するデータ、およびVPNソフトがインストールされているパソコン(検閲対象となるリスクがある)は、持ち込みを避けたほうがよいでしょう。これらのデータやソフトウェアは、中国当局の検閲対象となる可能性が高く、入国時のトラブルや滞在中のリスクを高める要因となります。
グロモバWiFiの利便性
中国出張の際の通信手段として、「グロモバWiFi」のようなレンタルWiFiサービスは非常に便利です。その主なメリットは
- ● VPN設定不要:Google、LINE、SNSなどの日本の主要サービスにそのままアクセス可能。
- ● セキュリティ:公共WiFiを利用するよりも、プライバシーとセキュリティの面で安心。
- ● 安定した接続:中国国内の主要通信事業者の回線を利用し、安定した高速接続を提供。
- ● 手続きの簡便さ:日本出発前に予約し、自宅もしくは空港で受け取りが可能。返却はポスト投函なので、カウンターへの立ち寄りは不要。
- ● 複数端末対応:一台のポケットWiFiで複数の端末(PC、スマートフォン、タブレット)を同時に接続可能。
ビジネス用途では、会議中のプレゼンテーションやオンラインでの情報検索など、安定した通信環境が不可欠なシーンが多く、信頼性の高いWiFi接続は非常に重要です。
また、レンタルWiFiに万一のトラブルが発生した場合には、「グロモバeSIM」のようなeSIMを予備の通信手段として活用することで、いかなる状況でもインターネット接続を確保できる二重の安全策となります。

中国での決済とアプリの使用
クレジットカードの使用可否
中国では、国際ブランドのクレジットカード(Visa、Mastercard)が利用できない店舗が多く存在しており、内陸部や地方都市では、その傾向が特に強いです。
中国の主要な決済方法は以下の通りです。
- ● モバイル決済:WeChat Pay(微信支付)やAlipay(支付宝)が主流であり、事前にアプリをインストールし、クレジットカードを連携しておくと便利です。
- ● UnionPayカード:中国の銀聯(UnionPay)対応のクレジットカードは、国内の多くの店舗で利用可能です。
- ● 現金:外国人向けの店やタクシーでは、まだ現金が必要な場合もあるため、少額の現金を用意しておくことをおすすめします。
最近では、外国人向けにWeChat PayやAlipayを短期間利用できるサービスも提供されていますので、出発前に調査しておくとよいでしょう。
WeChatの重要性
中国でのビジネスコミュニケーションにおいて、WeChatは欠かせないツールとなっています。単なるメッセージングアプリではなく、以下のような多機能プラットフォームです。
- ● 支払い:WeChat Payを通じた決済が可能です。
- ● ビジネス連絡:ほとんどの中国のビジネスパートナーはWeChat経由でのコミュニケーションを好みます。
- ● グループチャット:プロジェクトチームのコミュニケーションによく使われます。
- ● 名刺交換:実際の名刺交換に加え、WeChatのQRコードを交換することが一般的です。
出発前にWeChatアカウントを設定し、基本的な使い方に慣れておくことをおすすめします。また、中国での使用中は、ビジネス上のセンシティブな情報の共有には注意が必要です。
Googleサービスの利用制限
前述の通り、中国ではGoogleのサービスが利用できません。主な代替サービスとしては
- ● 検索エンジン:Baidu(百度)が中国最大の検索エンジンです。
- ● 地図:Baidu Maps(百度地図)やAmap(高徳地図)が代替として使用できます。
- ● メール:QQメールや企業のExchangeサーバーを利用するのが一般的です。
- ● クラウドストレージ:Baidu Cloud(百度網盤)などが利用可能です。
出張前に、これらの代替アプリをインストールしておくと、現地での活動がスムーズになります。
また、中国のインターネット規制に対応した「グロモバWiFi」などのレンタルWiFiサービスであれば、特別な設定をしなくても、日本で使っているアプリが中国でも使えます。
その他注意点
ビザ・入国手続き
中国訪問には適切なビザが必要です。ビジネス目的の場合、通常はMビザ(商用ビザ)を取得します。ビザ申請には、招聘状や訪問先企業の情報が必要な場合があります。また、パスポートの残存有効期間は滞在予定期間プラス最低6ヶ月必要です。
持ち物
中国出張の際には、通常の海外出張アイテムに加え、中国特有の状況に対応するための持ち物を準備しましょう。
- ● 通信機器:「グロモバWiFi」などのレンタルWiFi、予備として「グロモバeSIM」などのeSIM
- ● 電源関連:中国では日本と同じAタイプのコンセントが使用されていますが、変換プラグやモバイルバッテリーがあると安心です
- ● 名刺:十分な枚数を用意し、可能であれば中国語表記も入れておくとより効果的です
- ● 現金:一部の場所では現金が必要なため、適量の人民元を用意しておきましょう
- ● 健康対策:大気汚染対策用のマスク、常備薬、胃腸薬(食事の変化に対応するため)
- ● 訪問先情報:中国語での住所表記や地図を印刷しておくと、タクシー運転手に目的地を伝える際に便利です
- ● 中国語会話集・翻訳アプリ:基本的な中国語フレーズや、オフライン対応の翻訳アプリを準備しておくと役立ちます
また、持ち込みを避けるべきものとして、機密情報を含む電子機器、政治的に敏感な書籍や資料、高額な装飾品などがあります。シンプルかつ実用的な荷づくりを心がけましょう。
● 関連記事:【2025年版】海外出張の持ち物チェックリスト(男性編・女性編)
移動手段
中国の主要都市では、以下の交通手段が利用可能です。
- ● タクシー:DiDi(滴滴出行)アプリを利用すると便利ですが、目的地の中国語表記を用意しておくことが重要です。
- ● 地下鉄・バス:都市部では公共交通機関が発達しており、交通系ICカードやQR決済が利用できます。
- ● ハイヤー:ビジネスシーンでは、ホテルや現地企業を通じて手配するのが安心です。
文化・マナー
中国の文化やマナーについての理解も重要です。
- ● 時間感覚:会議には定刻に到着するのが基本ですが、中国側が若干遅れることもあります。
- ● 飲食文化:食事の場はビジネス関係構築の重要な機会であり、乾杯の習慣や食事のマナーに注意しましょう。
- ● 政治的話題:台湾、香港、ウイグル問題などのセンシティブな政治的話題は避けるべきです。
セキュリティ・リスク管理
身の安全とセキュリティを確保するために、以下に注意しましょう。
- 1. 身分証明書:パスポートを常に携帯し、安全な方法で持ち歩きましょう。
- 2. 貴重品管理:混雑した場所ではスリや詐欺に注意し、貴重品は目を離さないようにします。
- 3. 健康管理:水道水は飲まず、ミネラルウォーターを利用しましょう。また、大気汚染対策としてマスクの携帯も検討してください。
予期せぬトラブル対応
万が一のトラブルに備えて、以下を準備しておきましょう。
- 1. 緊急連絡先:在中国日本大使館・領事館の連絡先をメモしておきましょう。
- 2. 医療機関情報:滞在先近くの国際病院の情報を事前に調べておくことをお勧めします。
- 3. クレジットカード紛失時の対応:カード会社の緊急連絡先を控えておきましょう。
おわりに
中国出張を成功させるためには、事前の準備が重要です。特に、インターネット環境への対応、「反スパイ法」を踏まえたセキュリティ対策、現地での決済手段の確保が三大ポイントとなります。
日本で「グロモバWiFi」などの中国対応レンタルWiFiを事前に手配しておくことで、中国の通信規制に悩まされることなく、スムーズにビジネス活動を行うことができます。さらに、万一の事態に備えて「グロモバeSIM」などのeSIMを渡航前に購入しておくことで、通信環境のバックアップも可能です。
グローバルビジネスにおいて、中国はいまや欠かすことのできない重要な市場です。万全の準備を行うことで、リスクを最小限に抑えつつ、ビジネスチャンスを最大化できる中国出張が実現できるでしょう。

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